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これからの gate

「gate#15」

新生gate、#15ではこれまでと少し趣向を変えて「既成戯曲の演出」をテーマに行います。

これは個人的な、非常におこがましい思いなのですが。古典戯曲や近代戯曲と呼ばれるものには、時代や国の違いを超えた、たくさんの素晴らしい作品が存在すると思います。しかし残念ながら、そういった作品が上演される機会は新作や現代戯曲に比べると少ないように感じます。「難しい」というイメージが強いからなのでしょうか。

僕はこのプログラムを通して、みなさんに往年の作品を少しでも身近に感じていただければ幸いです。そしてこんな事を言いながら僕も「少し有名な作品を知っている」ぐらいの知識しかありませんので、今まで知らなかったようなたくさんの戯曲に出会いたく思っています。

さて。
ママママ、劇団なかゆび、村上慎太郎(夕暮れ社 弱男ユニット)の3団体はあの名作たちをどのように現代に蘇らせるのでしょうか。今からワクワクドキドキが止まりません。

それではみなさん、KAIKAでお会いしましょう。

gateディレクター 大石達起(IN SITU)

gate#15
■LINE UP

ママママ 『命を弄ぶ男ふたり』

作:岸田國士
演出:木之瀬雅貴
出演:森谷A(劇団衛星) 髭だるマン(爆劇戦線⚡和田謙二)
profile:
 木之瀬雅貴が2017年に立ち上げたコント製作プロジェクト。《まるで人生のようなコント、まるでコントのような人生》をモットーに、世に存在するあらゆる事象や法則、感情をコントに転換する。2017年3月に『祝祝祝祝』、同年11月に『二の次』を上演。
演出からのコメント:
 人間の中に「命」がある、んじゃなくて、命っていう大きなものが「人間」を覆っている、と彼は考えています。究極的には、結局彼らの方が「命に弄ばれてる」ってことがこの劇から見えたらいいなと思います。自殺しようと線路脇に立ち、結局しない2人の男の話。(木之瀬)
大石ディレクターより:
 「演劇界の芥川賞」とよばれる岸田國士戯曲賞に名を残す岸田氏。氏の戯曲の特徴は「美しい日本語とその中で語られる心の機微」と言えば小難しく聞こえますが、この戯曲は、誤解を恐れずに言えば非常にバカバカしい、クダらない物語です。緻密なコントを製作するママママの生み出す岸田國士世界に大注目!

劇団なかゆび 『蜘蛛の巣』

原作:"The Web" by Eugene O'Neill
共訳:高山吉張 須賀昭代 柏木敦子
演出:神田真直
出演:高田彩美 玉井秀和(劇団FAX) 岡田眞太郎 柊木樹 新原伶 神田真直
profile:
 エクリチュールの独裁体制に対するレジスタンスとして、上演を敢行する。テキストは難解で、「断絶の詩人」では韓国語、「仮面の傍白」では英語、"Faust"ではドイツ語やラテン語、挙句の果てに般若心経を取り入れる。演出では〈アングラ〉を空間的基調として、「問い」の同時代性を強く訴えてきた。京都学生演劇祭2016にて審査員特別賞、第二回全国学生演劇祭では審査員賞をそれぞれ受賞している。
演出からのコメント:
 劇団なかゆびはこれまでベケットの"Not I"や、ゲーテの"Faust"に暴力的な手段で取り組んでまいりました。今回はそうした奇策を封印し、正攻法で現代アメリカ演劇の出発点、オニールに挑みます。そのオニールのなかでも『蜘蛛の巣』は最初期(1913-14)の作品です。ここからやがて1936年にノーベル文学賞を受賞する彼の終わりなき日々を、地平線の彼方に眺めることができます。いざ、カーディフさして東へ。(神田)
大石ディレクターより:
 ノーベル賞受賞作家の処女作にふさわしい、非常に濃密で骨太な戯曲です。しかし、氏の一幕劇は上演される機会が少なく、この『蜘蛛の巣』はなんと関西初演(!)です。これまで多くの古典戯曲に取り組んできた劇団なかゆびが描き出す"劇的な人間の苦悩"、果たしてその行く末は。

村上慎太郎(夕暮れ社 弱男ユニット)『親父の説教』

原作:"LE DISCOURS DU PERE" by Guy FOISSY
著作権代理:(株)フランス著作権事務所
演出:村上慎太郎
出演:稲森明日香 南志穂 村上慎太郎
profile:
 1984年京都府京都市出身。中学時代に演劇を始め、05年に劇団 夕暮れ社 弱男ユニットを結成、代表・脚本・演出を務める。07年京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業。08年大阪市主催次代を担う新進舞台芸術アーティスト発掘事業CONNECTvol.2にて大賞を受賞。17年第24回OMS戯曲賞最終選考。今回は、ほぼ夕暮れ社 弱男ユニットメンバーで参加します。
演出からのコメント:
 「親父の説教」は親父が怒鳴り散らしているうちに鼻を明かされて行く、といったブラックユーモアがたっぷり詰まった魅力的な作品でして。フランスの作家ギィフォワシィは「演劇ブラックユーモア大賞」も受賞されていることもあり、ニヤニヤと楽しめる作品ですし、楽しんでいるうちに翻訳された日本語の堅苦しい語感を抜け出し、演じるほうも観るほうも楽しい上演にできればと思っております。(村上)
大石ディレクターより:
 フランスにこんなおもしろい作家がいたなんて!こちらの戯曲も日本で上演された事はかなり少なく、記録上では関西初演(!のはず)。「翻訳戯曲」という言葉の持つ堅苦しさからはほど遠い位置にある戯曲です。確かな実力と実績を持つ村上慎太郎さんが誘う歪んだユーモアに期待大です。
■日時
6月29日(金)19:30~
6月30日(土)15:00~/19:00~
7月1日(日)11:00~/15:00~
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約120分を予定しています。

■会場
KAIKA

■チケット
一般 前売2,000円 当日2,300円
around大石(25~30歳) 前売1,700円 当日2,000円
※日時指定・全席自由席

◎チケット取り扱い 〈5月19日発売開始〉
(1)イープラス http://eplus.jp
URLからアクセス。またはファミリーマート店頭にある端末、Famiポートより直接ご購入ください。

(2)フォームより https://ticket.corich.jp/apply/91789/
サイト内のご案内に従って、お申し込みください。チケットと振込のご案内をお送りします。
※前売券購入後のキャンセルは出来兼ねますので、ご了承ください。

■gateスタッフ
gateディレクター:大石達起(IN SITU)
舞台監督:脇田友
制作:植村純子 河合厚志(押ボタン制作)
チラシデザイン:大原渉平(劇団しようよ)

■主催・お問い合わせ
NPO法人フリンジシアタープロジェクト
tel:075-276-5779(平日10~18時)
e-mail:acs_kaika☆fringe-tp.net(☆を@に変えて送信してください。)


新ディレクターよりご挨拶

はじめまして!gateの四代目ディレクターを務めさせていただきます、大石達起と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

いきなりこんな事を言うのもどうなんだという話ですが、「人は互いに分かり合えるのだろうか」という事について最近よく考えます。
顔を付き合わして話していても、本当にコミュニケーションが取れているんだろうかと、そんな不安を時折感じます。

演劇の最大の魅力は、役者の息遣いが客席まで伝播し、役者が息を呑んだ時、こちらも思わず一緒に息を呑んでしまう、あの瞬間だと思っています。その場に居合わせた全員の呼吸で、文字通り劇場が揺れているあの瞬間、僕は言葉以上の強烈なコミュニケーションを感じます。

分かり合える事も分かり合えない事も、全てを共有することを求めて僕は演劇を選び続けているのでしょう。

gateは出会いの場です。アーティストのあなただけでなく、観客のあなたにとっても。
多彩なプログラムの中で起こる出会いが、演劇を、ひいてはみなさんの人生を豊かにする事を願っています。

それでは、KAIKAでみなさんとお会いできる事を楽しみにしております!
IN SITU 大石達起

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